雑記などのコラムです。
6月雑記(病床の愚痴(笑)・・・無理をさせてもらえない世の中)
おつかれさまです。田川です。
厚木道場を始めてそろそろ25年になります。25年もやってると晴れの日ばかりとも限りませんで、
記録的豪雨の日もあれば、雪で世界が止まっている日もありました。
とうぜん私も健康な日ばかりではなく、怪我をしていたり、声が(文字通り)まったくでなかったり、
今日のように高熱で地面に張り付いてる日も、道場の時間になればむっくりと起き上がって
そ知らぬ顔で練習を指導していたものです。
田川などは風邪など引くはずもないという信仰?を持ってらっしゃる方も意外に多いんですが(笑)、
ここ四半世紀、人並みには体調を崩してますよ?

ところがコロナ以降、練習場で病巣が発生拡大すれば施設を使用不能にさせられたり、
大げさに言えば国や世界に影響を及ぼす事態となってしまいました。
人々は感染そのものよりもその影響力を恐れ、結果病気を恐れるようになったんじゃないかと思います。
そんな中でご迷惑はかけられないってんで、私今週道場に行ってません。
コロナの前20年余、如何な理由があろうとも個人的理由では休まないのが田川の道場に賭ける姿勢だったのに、
本当に口惜しいばかりです。
ちと話は飛躍しますが、世界はいつの間にか、無理をさせてもらえない世の中になってしまった感があります。

「そんなのは大げさだよ」
って笑うかもしれませんが、いやもうホント最近、過保護な世の中だなってのは娘たちの小学校の話を
聞いていても思います。
『今日は暑いからプールは中止』
『熱中症になるかもしれないから今日は外遊び禁止』
・・・暑い日にプール入れなくていつ入るんだよって感じですが、
『公園での危険な遊具は撤去』
『家に帰れのチャイムの時間の繰上げ』
などを聞くだに、そんなに『無理のない、危険のない、障害のない』お膳立てをされて、
生きるために必要な防衛本能や危機意識や適切な判断能力は育つのかい?って思いますね。

いやホント最近、余計なお世話が蔓延しています。
自転車のメット義務だって、そんなモンは危ないと感じる人間が個々の判断で着用してればいい。
マイナンバーカードだって、便利だ便利だ。・・・余計なお世話ですよ。こっちは元から今までの不便を
不便と感じてません。
『こういうほうがアナタのためですよ』って部分を強制するのが昨今風潮の一つになってきていますが、
余計なお世話を義務化するなといいたいし、それらを義務化する法律なんざ、憲法のドコカの条文に
違反してるんじゃないかとすら思いますが、どうなんでしょうね。

格闘技もそうです。
二言目には安全安全。・・・待てよ、『絶対安全な格闘技』ってなんやねん。
『当社は新しいマッチを開発いたしました!誰が御使用になっても絶対に安全です!なにせ、火がつきませんから!』
みたいなもんじゃね?
いやもう、それを目指す大会にケチをつけるわけではないし、そりゃ怪我がないに越したことはないとは思いますが、
格闘技というものの本質を第一義に考えた時、『絶対安全』を条件にしなければチャレンジしない人間は
そもそも格闘技の大会にチャレンジすべきじゃないと思うんですよ。F1レースで法廷速度を護りなさいって
いってるようなもん。格闘技は、そういう分野じゃないんです。
・・・みたいなこと言ってると極論振りかざしていろいろ言ってくる方もいらっしゃいそうですが、
なんならF1レースの例えで何でも説明できそうな気がしますわ。

ともあれ、です。
"無理をさせてもらえない
"、"ガラス細工のように護られ続けて育ってゆく"世代ってのは、いつかどこかで
その代償を払うことになるんじゃないかと思いますね。発想の飛躍ですけども、そう思います。
グローバル化が進むって言うんなら、日本よりも恵まれない途上国の人間たちは、泥水すすりながら、将来
そんなぬるま湯日本人たちと同列に走り始めるわけです。無理を無理として『しない、させない』で育ってきたような
連中が太刀打ちできるのか・・・。
はなはだ、疑問です。

と、熱病に冒されて、なんとなく右脳と左脳が分離してるかのような頭で思うことをつらつら並べて、
今月分のコラムも何とかクリアしましたが(笑)。
今週はそんなわけで道場に行ってません。だけど、その分、私の代講として責任を負ってくれる人がいます。
さっき言った
コロナの前20年余、如何な理由があろうとも個人的理由では休まないのが田川の道場に賭ける姿勢』
これは、逆に言えば、『田川がいなければ道場は一日だって回らなかった』ってことでもあるんです。
それが道場を始めて25年。いつの日からか、「なんとかしときます」と言ってくれる人たちが育ってくれた。
これが・・・なにより、すごいことだし、ありがたいこと、ですよ。
牛の歩みですが、20年まででようやく黒帯が出て、25年かけてようやくそうなって・・・30年、40年、
さぁどうなっていくでしょうねー。
ここは、無理のできない世の中であっても、どう無理しても、繋げていきたいところです。

人間ってさ・・・無理しないと得られないものって、結構あると思うんですよ。
だからこそ、無理がさせてもらえない世の中って・・・。
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