雑記などのコラムです。
5月雑記(元祖?本家?・・・正統派ってナニ?)
「僕はITFテコンドーが好きなんですよ。一番かっこいいし。
だから、僕はずっとITFテコンドーを教えていきたい。ITFテコンドーの精鋭集団を作りたいんです」

とある指導者の言葉です。そう、その通り。私もまったく同感です。

最近しきりに、『テコンドーの正統派』もしくは『正統派テコンドー』ってなんだろうって思っています。
なんだろう、なんですか?
テコンドーは崔泓熙総裁が1955年に成立させたものであり、現在こそアマゾン川の支流くらい枝分かれし、
なんとなく他を認めない雰囲気がありますが、もともと一つでした。当然厚木道場もその一つの川の流れにいました。

崔泓熙総裁が亡くなって跡目相続争い?
「ウチが元祖だ、ウチが本家だ、ウチが一番弟子だ」てな勢いで三つに割れたわけですが、
さて、『正統派』とは一体どこのことでしょう。
各派のお偉方を集めれば終わらぬ議論が始まるのでしょう。
正統派というのは崔泓熙総裁の系譜をどれだけ色濃く受け継いだか・・・みたいな
ところでも検証がされるのだと思います。でも、それってどれほどの価値?

御存じの通り、日本には昔、武士階級というものがありました。
戦国時代こそ、羽柴秀吉的な例でのし上がって武士の頂点に立った例もありますが、
徳川幕府が大阪城を陥落させて江戸時代を作ってから、基本的には武士の子は武士という世襲制を取りました。
(抱席と呼ばれる低い家格だと一代限りだったそうですが)

つまり武士の子は武士。アホでも馬鹿でも無能でも武士です。
なんなら刀もろくに振れなくても、武士は武士なわけです。
幕末頃になるとあまりの凋落ぶりに、武士という身分は売りに出され
(実際には養子縁組から以後武士にしてしまう)、以後武士になってしまう町人や商人も増えました。
まぁしかしとりあえず、武士階級にいるということは戦国時代に武士をやっていた人の末裔なんです。
系譜にこだわるなら、?武士階級であれば正統派?と言えるでしょう。

でも、どうですか。納得いきますか?
刀も抜いたことのない武士を、武士と呼べますか?

日本人なら、大なり小なり思い浮かぶ武士像というものがありますよね?
別にそんなに武士フリークでなくてもいいんです。だけどおぼろげに、『武士たるものは……』的な、
何か立派なものを思い浮かべるわけじゃないですか。
『士は己を知る者の為に死す』的な忠義だったり、その魂の崇高さだったり、
強力な武力であったり、潔くも儚い最期だったり・・・
・・・
武士というものが単なる世襲の役職のことであれば、武士道や武道なんてものは、
日本人の心にそれほど浸透しなかったのではないでしょうか。

てか
聞きたい。
皆さんなら、『武士らしくない武士』と『武士らしい武士ではない人』。どちらを?武士?と呼びたいですか。

究極の選択ですね!!『カレー味のうんこ』と『うんこ味のカレー』。あなたはどっちを食べますか!?
ってな難問ですが!!(笑)

……勘違いしてほしくないんですが、現ITFを引っ張ってる?正統派?の方々に対して、
その資格がないと言いたいわけでは、まっったくないんです。
だけど、?正統派?が世襲……というか、直系の系譜を指しているなら、
それってどれほどの価値があるのかを顧みなければならない部分なのではないかと思うわけです。
いや、それよりも、冒頭のセリフを吐くような指導者と、その指導者に教わる人たちのような精神で
テコンドーに勤しんでいる人はすべて、正統だと呼びたいと思うのは私だけでしょうか。
(正統というか、純度が高いというか……)

一方で「初代総裁の教え通りに教えていない者は正統ではない」みたいな考え方があるとすれば、
それも大いに疑問です。

例えば、本田宗一郎(敬称略)が始めた本田技研工業という自動車メーカーは、
彼が亡くなった後も目覚ましい技術力の進化を見せていますよね。晩年のご本人も言ってました。
「いやぁ、今の技術は俺には分からんよ。だけどそんなの当然なんだよ。
隠居した俺がまだ分かるような車を作ってちゃだめなんだ」
技術などというものは旧来を超えていかなければ進化しないもの。
総裁が亡くなったのは2002年だったかと思いますが、それからも20年も経っている今、
その場所で技術を止めていることこそ堕落と言えるでしょう。
であれば、「崔泓熙総裁の教え通りに教えていない者は正統ではない」これも通らない。
いや……たとえそれが正統であっても、そんな正統には価値はない。

それで、
「いや違うだろ。彼の基礎となる精神!スピリットを正しく受け継いだものが正統と言えるのだ」というのなら……
……まさに、さっきの武士の話じゃないですか。
直系のみがその精神や技術に精通しているわけではない。
中には『武士よりも武士らしい武士』だっていてしかるべきなのです。

ようするに、いわゆる?正統派?なんてその程度のものです。
馬鹿にしてるんじゃない。正統という枠組みにこだわって大切なことを見失うことの非合理を言ってます。
そして、これもまた勘違いしてほしくないのですが、今さら厚木道場を正統だという気もさらさらありません。
モグリならモグリで結構。
だけど、うちはこの25年間、間違いなくITFテコンドーを教えてきたし、ITFテコンドーを愛しているし、
テコンドー以外の教室を開くつもりもない。
テコンドーが好きな人が好きだし、そういう人たちを応援できる道場でありたいし、
たとえITF協会に属していなくても、ずっとITFテコンドー道場であるつもりです。

そんな厚木道場が思うんですけど、そろそろ正統派とかそうでないとか、
(ウチが正統だから、正統な)協会以外の人間とは一緒にやれないとか、
そんなつまらなーーーーい虚勢から脱却すべきではないでしょうか。

正統派なんてものは、繰り返しますが今言った程度のものです。
自分の協会以外にも優れているテコンドー家は山ほどいます。
それらの技術を確かめ合って競技が進化していくことこそ、
総裁だって望んでいたことなんじゃないかと思うんですがどうでしょう。

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