雑記などのコラムです。
4月雑記(『詐欺師が人を騙す時』)
4月がやってまいりました!
この月は田川のテコンドートンデモ理論を語る月です。(年一更新(大笑))
題して『詐欺師が人を騙す時』
・・・さぁなんじゃらほい?ってオハナシで・・・。

詐欺師。人を騙して多額の金を懐に入れる人種です。
騙すんですから、騙されなければ詐欺師に引っかかることはないのでしょうが、
『騙されないと思ってる人を騙すから』詐欺師なわけです。
大小問わず、人に騙されたことのない人などおらず、ウクライナとロシアの情報戦を見ていると、
情報なんつーモノは、もはや信じられる部分の方が少ないんじゃないかと思ってしまいます。
そもそも
『騙されるはずがない』なら、特殊詐欺の被害総額が361.4億円みたいな数字にはならん
わけですし(令和四年)、特に金に関わる話は「俺は大丈夫」ではなくて気をつけなきゃいけんなと思います。
世の中は嘘や欺瞞に満ち溢れていて、扇動もされやすい。まったくどもならん。

・・・って、そんな話ではありません。
が、ことテコンドーについても、本質は要するに"騙し合い"なんだと思うんですよ。

「右上段トルリョチャギを撃ちますよ?」と言って放った右上段トルリョチャギを受けられない熟練者はいません。
でも、「右上段トルリョチャギを撃ちますよ?」と言って、右中段の奥足ヨッチャギとか撃ったら、
当たる人も何人か出てくると思います。
数年前に『交通事故は意外だから起こる』ってテコンドー理論を展開しましたが、
相手を騙すという行為も、つまり『意外だから』騙されるわけです。
つまり、
蹴りを当てるには、相手を騙すことも一つの大きな要素だと言いたい。

これは、あるいはすべての格闘技にいえるとは限らないかもしれません。
技術など伴わない消耗戦(殴り合い)や、放たれた攻撃は避けずに受けることを前提としてる格闘技は、
これをそれほど考える必要なないのかもしれない。
しかし、テコンドーは避ける比率の多い格闘技です。
「単純に追い詰めて追い詰めて、逃げられなくなったら殴りまくって勝ち」という条件が作れるならともかく、
テコンドーの競技場というのは一般的に広く、リングのような仕切りもないので、
ひらひら逃げられて埒が明かないという状態に陥りやすい傾向にあります。
効率よく当てるには、『きたかぜとたいよう』の話にあるような、北風戦術だけじゃだめですし、
その妙を楽しむのが、テコンドーらしさ(テコンドーの楽しみ方)の一つなんだと思うんですよ。

そこで、どう騙すか・・・なんですが、この話をすると、要するに数年前に話した交通事故の話、
「意外性を持ちなさい」って話になりますので、とりあえず置いておきます。
「え? 具体的にどうすればいいのか教えてくれないの?」って?
・・・甘ったれんじゃねぇ。それを自分で考えるのが、自分の格闘スタイルの確立でしょーが。
自分で考える力を養った方が、応用が利きます。人から習ったことは広がらない。
自分で考えるべきです。

じゃあ今日は何を話すかと言えば、騙す技術の一つにフェイントがありますよねってコト。
道場ではたまにする話なので、聞いたことある人も多いかもしれませんが、
フェイントというのは多く、「その行動をするふりをして、実は別のことをする」ことを指します。
右にいくふりをして左にいったり、蹴りを打つふりをしてパンチを撃ったり・・・そういうのがフェイントです。
が、フェイントは、相手がその"ふり"に騙されてくれなければまったく意味のないシロモノですよね。
ということは、フェイントをかける時のポイントは、如何にその"ふり"がリアルか・・・ってことに集約されていくわけです。

そこで詐欺師。
人を騙す時、騙す核心部分が嘘っぽかったら誰も騙されません。
ニセ金がここにあったとして、それに『こども銀行』とか書かれていたら、騙されるのはうちの娘くらいなものです。
大切なのは、騙したいものこそ、本物に見えなければならないってこと。
逆に言えばホンモノなどはニセモノに見えてもいいわけです。当たれば、それが痛ければ、なんでもよろし。
だから、フェイントをかけるなら、フェイントの部分は本物よりもリアルに見せなければならない。
そしてそれに、相手が騙されてくれないといけないわけです。

アタリマエじゃん。
って思う人もいるかもしれません。
でも実際、攻撃をするに当たって、自分自身でどれがフェイントでどれが本物かが分かってない人も多いし、
フェイントとなるとあまりにお粗末な"ふり"になる人も多い。
当てたい攻撃に注力しすぎて、見せてるフェイントがニセモノにしか映らない人も多い。
フェイントかけて相手騙すなら、むしろフェイントに80%、メインに20%くらいの比率でもいいくらいなんですが、
多くはやはり、メインに100%を注ぎたいためにフェイントが微量%、なんとなくやってるだけになりがちってことです。

自分の攻撃の中で、どれを当てにいきたいのか。その蹴りを当てるためにどのような工夫をしていくのか。
「いやいや、とにかく数撃ちゃ当たるよ。全部本物よ!!」
と、全部当てに行ってる人がいるとするなら、テコンドーはカウンターの格闘技です。
入ってくればかならず当てにくると分かっているなら、相手が動くタイミングにカウンターを合わせればいいので、
分かりやすいし、熟練者を相手に、そうやって突っ込むのはわりとリスクの高い行為だと思います。

だから必要。「
相手をどう騙し、どう『意外』な状態を作り出すか」
それって、言い方悪いけど詐欺師の考え方に近いと思うんですよ。
ただがむしゃらにやっていくことも大事だと思いますが、はたと立ち止まって、
心理の裏をつく工夫を考えてみることも、テコンドーでは大切な要素なのだと思います。
そのために、フェイント、ですね。
どのようなフェイントを織り交ぜていくか、その
フェイントをホンモノより本物っぽく見せるにはどうしたらいいか。
・・・
これは、特に中堅以上の熟練者はもう一度考えて試して、考えて試して、を、
やる価値のある要素だと思いますので、ここを読んだ方、是非、もう一度洗いなおしてみてもらえたらと思います。
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