雑記などのコラムです。
4月雑記(普通預金と外貨預金)
ここ数年、毎年4月は、田川のテコンドートンデモ理論を展開しております。
もうね。蹴り方とかテクニックとか、私でなくてもyoutubeで溢れてるし、
こんなに世界がネットでつながってると、今さら動画で「見本!」を見せたって、
もっとすげーヤツは山ほどいます。

俺なんざ尊敬しなくていい。もっともっとすごいヤツを見て、それに憧れて、
自分だけのテコンドーを作ればいいと思うんですよ。
そんな皆さんを見ながら、その人が何を望んでいて何をすれば一人前に昇華できるかってところは
考えられる(アドバイスできる)水準に、私はいます。
その手伝いができれば、それが私のテコンドー界における存在価値なのでしょう。
私自身は偉くもすごくもありませんが、その点に関しては日本でも有数のテコンドーの教え手だと思いますよ。

さて、そんな私のテコンドートンデモ理論。読み物として、一つの考え方だと思ってもらえればと思います。
題して『人生は普通預金、外貨預金』
・・・おい、そこ、まぁ座れ。帰る前に考えてけ。(笑)

普通預金、外貨預金を知らない人はいないと思いますが、
万万が一小学生がこのコラムに目を通していることを考えて、軽く説明しますと・・・。
預金というのは、銀行などの金融機関にお金を預ける行為です。
預金の種類は多岐にわたりますが、とりあえず普通預金は『ただ預けるだけ』の行為だと思ってください。
銀行はそれを元手に(別の人に)金を貸し、利益を出しながら、
預金者に、預けてくれた期間と額によって"利息"という報酬を払います。
いつでも預金と引き出しができますし、たとえその銀行(金融機関)が破綻しても、
1000万円までなら返済の保障があります。
安全安心ですが、その分報酬である利息額も小さく設定されています。

一方、外貨預金はその預金が外貨(別の国の通貨)で預けられます。
世界の現金の価値というのは日々変動するので、日本国内だけなら(例えば)ずっと10の価値でしかなくても、
別の国から日本円を見比べると、その価値が円の10に対して13になってたり、7になってたりするわけです。
実際には金利の話もあるんですが、詳しいところはどっかの銀行のホームページででも読んでもらって、
要するに、普通預金と同じように預金をしているのに、普通預金よりも儲けられたり、
逆に損をしてしまうリスクもある預金だと思ってください。

一言で言えば、普通預金はローリスクローリターン、外貨預金はハイリスクハイリターンということです。
それを踏まえてテコンドーという"競技"の話に戻ります。

テコンドーというのはもともとがポイント制ですから、キックボクシングや極真空手などの
フルコンタクト系の格闘技に比べると、『相手からの攻撃がヒットすることそれ自体が悪』なんです。
すると、その打撃が痛い痛くないに関わらず、如何に当てるか。如何にもらわないか。が求められます。
如何に倒すか、じゃないんです。ここにフルコン系との大きな考え方の違いがありますから、
K-1などのリングでフルコン系の選手と当たって負けて「テコンドー弱い」と言われても、
目指してるものがそもそも違うとは言いたい。

如何に相手の攻撃を食らわずに自分の攻撃を当てるか。そこには、根性よりも技術が求められます。
私はそれほど器用ではないので「フルコン向きだ」とはよく言われたけど、
ことテコンドーを『競技として』純粋に昇華させていくなら、私が普段言っている格闘技的な考え方
(格闘技は倒すためにあるとか、食らった数だけ倍返しetc....)などという発想は払拭する方が、
テコンドーらしさを体現できるのだと思います。
技術を楽しむ競技なんですよ。テコンドーというものは。

で、"当たってはいけない"とすると、です。皆さん基本的にとても消極的になります。
理由はもちろん、
リスクを取れないからです。触られればゾンビになる相手と戦うと思えば、
そうそう積極的になれないことも想像できます、かね?
恐らく、実戦があり、すん止めではない、実際に攻撃を当てる部類の全格闘技の中で、
相手の攻撃に対してこれほどに下がる(かわす含める)競技は他にないんじゃないでしょうか。
だから広い場所が必要になるし、リングのロープは邪魔なわけです。

でも、ローリスクは、ローリターンなんですよ。普通預金なんです。
普通預金の利息を何かの足しに生きてる方など、このご時勢いるのかってくらいの見返りにしかなりません。
リスクのないことをやってリターンが期待できるのは、テコンドーの組手に関して言えば、
実力に差がある場合と、相手がよほど集中を切らした時くらいです。

二分という短い時間の中で効果的なリターンを求めるなら、よりギリギリを攻めなければならない。
相手が攻撃してきたタイミングで自分も踏み込んだり、リスクをとりながらフェイントで入って、
相手の虚をついていかなければ、なかなか埒が明きません。

しかしそれはハイリスクハイリターンな外貨預金なわけです。
リスクをとれば、そこでの立ち回りはジャンケンのようになります。
こちらが繰り出したパーというリスクに相手がグーで答えてくれば当たりですが、
チョキで答えられると逆にこちらがダメージとなる。
ただ、そういうリスクを負ってこそ、競り合いに勝てる要素になっていく、と。
「虎穴に入らずんば虎児を得ず」ってやつですね。勝ちをもぎ取るにはリスクありきだってことを、
テコンドーの組手を競技としてやるなら一度自覚しなければならない。

ただ、「だから根性だ! ハイリスクをとって勝利をもぎ取ってこい!」って話じゃありません。
やることなすことハイリスクでは勝てるかもしれないが負ける可能性も増えますよね。
リスクを一つ増やせば、それだけジャンケンをしなきゃいけないわけなので、
ようはバランスだと思うんですよ。二分の間に、如何にリスクを抑え、リスクをとるか。
それが"当たってはいけない格闘技"テコンドーとしては戦略となるし、
私は、その配置の知恵比べがテコンドーの面白みなんじゃないかと、思うわけです。
ちなみに、ハイリスクはいつも"賭け!"というわけではない。
ジャンケンだって、「パー出すぜ!」って相手を惑わせてからジャンケンする方法もあります。
そういう駆け引きをしながら、如何に勝負どころで外貨預金に自分の財産を注ぎ込めるか!!
・・・といえば、面白くなってきません?(笑)

つまり、

組手は普通預金と外貨預金のバランスだ!
ハイリスクを排除して勝てる組手は限られる!
如何にリスクを回避しながら、積極的なリターンを求める
リスクをどれだけ配置できるか!
それがぎりぎりの競り合いの中での勝利に
自分を導けるかの分水嶺となるのだ!!
・・・って言いたい。(笑)

あるいは、人生もそういうことかもしれませんよね。
これからの時代、普通預金のローリスクローリターンだけでは、
一生を全うすることができるか分からない。人生で何度外貨預金の勝負をするか。
・・・それが、これからの時代、みなさんの老後を左右するかもしれません。

前々回は『交通事故と組手の相関性』、前回は『組手は相手との会話(交渉事)だ』と。
で、今回が『組手と人生のプランニングとの相関性』だとすると、
すごいですね!組手というのは、これすなわち人生の縮図なわけです!!(大笑)

まぁフツーにこじつけですが、なににせよ、組手はローリスクに終始しただけでは勝利はおぼつかない。
これは特に、テコンドーというリスクを敬遠しがちな競技では、改めて認識しておくべき点なんじゃないかと思います。

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