雑記などのコラムです。
5月雑記(とにかくステージに立て)
緊急事態宣言がとりあえず解消され、6月から練習は再開の向きのようです。
そこで、思い返してみたいのが、何もできない時、どれくらいテコンドーに時間を費やせたか、ということ。
自主練・・・できましたでしょうか。なにか、今の間にできることをして、パワーアップしておこうと、
励めたことはあったでしょうか。
通常練習が再開される今、記事のタイミングとしては完全に遅いのですが、
まぁ振り返って反省する方が次に繋がるかなと思い、あえて半分手遅れ?な記事を書こうと思いました。

自主練というものは、本当に難しいものだと思います。
なにがって、自分との戦いであるところが。
誰の目もない中で、何の義務もない中で、自分を奮い立たせて息を切らすということを、
例えば毎日でも週数回でも、コンスタントに続けていくという行為。
それが決して簡単でないことは、わたしも人間なのでとてもよく分かります。

しかし、そういう時にやはり自分を奮い立たせられるかどうかというのが、テコンドーの五代精神の一つ
『克己』の精神なわけです。『己に打ち克つ』です。
自分に克って、そのことに自信をつけていくことが、武道教育の一つだとすれば、
武道を通して自分を強くしたいと思いテコンドーをはじめたなら、
多少でも意地を張りたい・・・いや、張るべき部分なんじゃないでしょうか。
"負けてたまるか"と、一度でもどこかで思ったことのある人なら、
自分に課すべき関門なのではないかと思うのです。

とはいえ難しい。繰り返しますが、わたしも人間なのでわかります。
その上で、一つ、こういうするといいんじゃないかって提案があります。
それは『とにかくステージに立て』。

例えば皆さんの自主練の場が近くの公園であるのなら、とにかくなんでもいいから公園に行けと、
そういうことです。
今日はだるい。きつい。・・・必ずあると思います。それなのに、あれやってこれやって・・・
思うだけで、「今日は無理」となるのは、特別ナマケモノだからというわけではない。
誰もがそうです。
『何をやろう』と思うとそうなるので、何も考えずにまず自分がここで練習をしようと思った『ステージ』に立ってしまう。
まずそこからはじめるのです。
全然ダメでもいいじゃないですか。そこで蹴りを一本放ったらもう無理だったとしても、
皆さんはその時『ステージに立ったおかげで』蹴りを一本練習したのです。
そこに立たなかったらきっと蹴ることもなかった、0のまま流されていった昨日とは違います。
それが、『じゃあまぁ、今日は二本くらい蹴るか』となれば、それだけで倍です。
それで頑張りすぎて、次の日は一本しか蹴れなかったとしても、今日の、今週の、今月の皆さんは、
その時点で0ではなくなるわけじゃないですか。
ステージに立つ。まず立ってしまうことが、それを可能にします。できない目標を立ててやらないより、
よほど現実的なモノの積み上げ方だと思うのです。
それは、本当は道場に練習に来ることにもいえると思います。
とりあえず道場へ行く。全然ダメでもいいじゃないか。行った瞬間から、今日の自分は0じゃなくなるからです。

余談ですが、
そんなわたしのモチベーションが、『道場生の誰にも負けないように』ってとこからきているというのは、
もう数年前のコラムで述べたと思うのですが、自主練に関しては、もう一つ、心の支えがあります。
わたしがテコンドーの目標とした選手に黄秀一師範という方がいます。
道場では今となっても幾度もわたしが名を挙げるので、名前だけは知っている人もいると思いますが、
マッソギの技術、力強さ、美しさ、・・・テコンドーの闘いってどういうもの?と聞かれれば、
「彼を見てくれ」と一押ししたい選手でした。
自分に厳しく、人に厳しい方なんですが、この方はなにより、努力の天才なんですよ。
わたしよりもかなり年上の方だし、もう重鎮中の重鎮でしょうから、現役で試合をされていることも
ないのかもしれませんが、その姿を思い浮かべれば、
「いや・・・試合とか関係なく、今も練習してんだろうなぁ・・・」
と思うと、彼を目標としたわたしがテコンドーに今も携わっている以上、やらないわけにはいかないです。

まぁもっとも、秀一師範と最後に会ったのは彼が37,8歳の頃でしたが、
「今は段が上がりすぎて国内試合に出られなくなったんだけど、
40になったらシニア部で出られるから、そしたら出るわ」
とか恐ろしいことを言っていたので、今も現役で活躍してらっしゃるのかもしれませんけど。

そういう目標が作れたわたしは、確かに恵まれていたのかもしれませんね。
彼に一目置かれるくらいうまくなりたいなって、今になっても、思っています。
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