雑記などのコラムです。
11月雑記(人間観察)
もう11月ですか。
いや違った。もう12月ですね。おいおい、一年終わっちゃいます。
今年もいろいろな人が結婚したり子供生んだりして、そういう話を聞くたびに
みなさん出会った日から、時は確実にたっているんだなと思うばかりです。
とりあえずニコラス君おめでとう。海外で結婚式するならお土産よろしく。(大笑)
おいしいものがいいです。

さて、生活の変化。仕事の多忙化。心情の変化などで、はじめに切り捨てられるのが「趣味」で
でも、「趣味を通して普段の生活とは別の世界を持つことが大切だと思いますよー」的な
コラムになる予定でしたが、それ系の話は最近もしたような気がしたりしますので、
おいておきましょう。
とりあえず、別の話題行きます。

繰り返し言うように、格闘技は技、体力、精神の中で、精神的なものが多く作用する競技です。
その中にあるのは相手と自分、1対1の駆け引きであり、そのせめぎあいが原因で自分の精神状態を
100%に保てないから、実力以上の動きが出来たり、逆に(多くは)出来なかったりするわけです。

だから、自分の気持ちを強くする。
ために、自分に自信をつける
ために、負けない自信がつくまで練習を重ねる。
・・・ということをしていくしかないというのは以前どこかのコラムで言った気がします。
数年前だったと思いますが、コレは今でも間違いないと思える基本的なことだと思います。
そんなことかいたってことは、今回は別のことが言いたいってことですよね。(笑)

逆転の発想です。
その精神的なものの駆け引きの中で、如何に相手を動揺させるか。
つまり、自分の気持ちが80%くらいにしか保てないとしても、相手が70%くらいまで落ち込むように
する発想が出来れば、精神的優位に立つことが出来るということです。
なんだか後ろ向きな発想っぽく思えますが、格闘技では技の一つのして必要不可欠だと思います。
すごく簡単な例で言えば「フェイント」って言うのはその際たるものですよね。
卑怯じゃないですよね?
・・・技です。

具体的にどうすればいいかというのは、相手の性格でも違えば
自分と相手の立場、体格、など、あらゆる面で違うと思います。
つまり、相手の性格をよく知ったり、それ以前に人間の心理などを知ったり
することによって、この人に対しては何が必要なのかということが
おぼろげにも分かってくるようになれば、それを「駆け引き」として
扱っていくことが出来るというわけです。
詐欺師ですね(大笑)。
純粋にすべての面において勝っている相手とやる時にはまったく必要のない要素かもしれませんが、
弱い人間が強い人間に噛み付くためには必要なことだと思います。

それをするためにはどうするか。
必要なのは人間観察だと思います。
練習の世界で言うなら、「この人は自分が右のひざをあげると、どういう行動に出てくるのか」とか、
「この人のリズム感はこうで、どういうタイミングで動き出すのか」とか、
「こいつ実は疲れてねぇ?」とか、
そういうことをよーーーく観察します。
自分の技がヘタだとか失敗しただとか、そういう家帰っても考えられることは
寝る前に悩んで明日の朝一番に補足してくれればいいこと。
道場で相手と対峙する場は言ってみれば、一人の練習では絶対に手に入れることの出来ない、
「人間くささの宝庫(笑)」なのです。
だから言っておきますが、自分の番が終わって小休憩に入ってる時にボーっとしてる人、
もったいないですよー(笑)。


相手を知ろうとしていくことにより、「相手が何を求めているか」「求めていないか」
という発想が、なんとなく生まれていきます。
それを試し、考え違いであったものは捨て、考えどおりであったものは残し、をしていくと、
だんだん、人間全体の奥底にある心理がどういうものなのか、分かって行くような気になっていきます
その心理の逆を突くと、うまくいくこともあります。
自分本位ではない、「相手の呼吸を読んだ自分の組手」ができるようになっていけるということ。
格闘技では最終的に求められていくことだと思います。
(でないと、たぶん、力比べ以上の組手にはなりません)

これは試合の相手が決まっていて、その人を倒すために生きているのであれば、
その人自体をつぶさに研究していかなければダメかもしれませんが、
何度も言うように私としては「武道」の世界は相手を倒すためじゃなくて、
「そこで身に着けたいろいろなものを、実生活に生かしていく」ことが大切だと思っていますので、
観察を行うのはなにも練習場内だけじゃなくていいと思います。
たとえば自分の仕事場に来るお客さんが、次に何をするかを考えながらちょっと観察してみたり、
電車の中で、「こいつはそろそろ降りるのか、まだ乗っていくのか」とかをしぐさや落ち着きっぷりで
予想してみたり、
・・・たとえばそういうのを繰り返していくことによって、相手が何を考えているのかを求める自分が
いるようになります。
もちろんそんなことを親しい仲で繰り返すのは失礼だとは思いますが、
それを知ろうとしていくことにより、実生活(仕事や人との距離関係)でも、
「自分と相手の距離感」や「相手の行動に動揺しない自分」を手に入れることに、
一役買うかなと思うわけです。
そして、「相手を知ろうと思う」からこそ相手のことを思いやっていけるのかなと。

よく「格闘技の一流選手は優しい」とか耳にしますが、
ひょっとすればそういうことかもしれませんよね。

最終的に全部憶測っぽく書いてあるのは、もちろん田川自体がまだ半人前だからです。
わたしも完全にそれができてるわけじゃないし、仙人みたいにすべてを見抜いて
組手が出来てるわけじゃありません。
ただ、非常に「人間くさい」格闘技の世界で何年も指導していると、
なんとなくそんな気になります。
これがなにかの参考になり、そんな発想の元、
格闘技に、実生活に、役立つきっかけになってくれればいいなと思っています。
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