雑記などのコラムです。
2月雑記(膝を守れ!)
さて、私は医学博士ではありません。

以下に書くことは専門的な見地から言えば、いいまわしやニュアンスの違いがあるかもしれませんが、
重箱の隅をつつくような知識を求める方は、以下を参考にしないで医術書でも読んでください。
多少間違っているとしても、それがために逆に身体を痛めてしまうような内容ではありません。

それを踏まえて、おつかれさまです。今月は『膝を守れ!』と題してコラムを書いていきます。
筋肉ってヤツはたとえ90才になってからでも鍛える(回復、発達させる)ことができるらしいのですが、
身体の運動能力を発揮する部分で、基本的に劣化するしかない部分というのが、関節です。
関節というのは骨と骨をつなげるジョイント部であり、靭帯っていう止め具で押さえて、
適切な方向にしか曲がらないよう制御をしながら、曲がる部分を稼動させています。

しかし、先ほども述べた通り、関節は基本的には劣化するしかない部分です。
「筋肉を鍛える」は聞いたことがあっても「関節を鍛える」という言葉を耳にしたことってないでしょ?
捻挫が適切な処置を行えば治るのですから、靭帯などはまったく回復しないというわけではないのでしょうが、
関節というのは筋肉に比べても非常にデリケートだということは間違いありません。
道場でも、だから打撲は「がんばれ」と言ってしまいますが、捻挫は「ちゃんと休め」と言ってます。
この二つの怪我の性質は、痛みという意味では同じでも、大きく違うものと考えるべきものです。

さて、そんなわけでデリケートな関節ですが、みなさんが長くテコンドーを続けるためにも、
今回取り上げたいのが『膝関節』です。
同じくらい重要なのが腰なんですが、今回ことさらに膝を言うのは・・・
・・・えっと、少なくともうちの道場だと、腰周りより、膝関節に対するケアが少ないためです。

関節というのは、筋肉が支えます。つまり関節周りの筋肉を強化することによって、関節の劣化を抑えることができます。
これは、筋肉というものが強化されるほどに、両端を引っ張る効果があるためで、
ぎゅっと引っ張っていれば、関節に重みが直接かかりづらくなり、負担が減るって理屈。
脱臼癖がある人も周辺の筋肉を鍛えますが、同じことだと思います。

で、厚木道場をベースにテコンドーの話をしますが、テコンドーというのは、
トルリョチャギにせよヨッチャチルギにせよ、背中の筋肉を使います。
ついでに膝を上げるために腹筋を使うため、総じて腹周りの筋肉は相当酷使します。
だから、その筋力ができきる前、テコンドー一年生とか二年生くらいの人たちは
逆に腰が痛くなったりするケースも多いんですが、いずれにせよ、腰周りを鍛えるための格闘技
と言っても過言でないくらい、テコンドーは腰周りに力がつきます。

ところが、膝関節を取り巻く筋肉には腰ほどの負荷はかからない。
アッチャギを多用する格闘技(もしくは道場)であれば、あるいはクリアできる部分なのかもしれませんが、
ご存知の通り、うちはアッチャギをあまり行いません。
他の蹴りでも膝周りの筋力を使わないというわけではないのでしょうが、
腰を支える鎧ほど強力なものが自然と身につくほどではないと、私は結論付けています。
でも、長く格闘技(に限らずスポーツ全般、最終的には健康的に歩くという行為ですら)を続けるには、
膝のケアは非常に大切です。

腰に比べても小さな筋肉しかついてない膝は、そもそもが複雑な構造をしています。
医学的にも不安定な形をしていると言われてるそうで、強度も高いとはいえません。
これが常に上半身からの圧迫を受け、生きてるわけです。
太ももの骨とすねの骨の軟骨が、限界を超えるごとにすり減って、お互いの骨が接近していく過程で痛みが出たり、
関節がだんだん曲がってしまったりします(変形性膝関節症と言います。骨と骨が直接当たると叫ぶほど痛いらしい)

これをあらかじめ防ぐためにも必要なのが膝の関節を上から引っ張る筋肉を鍛えることです。
具体的には膝の内側、上の辺りに乗っかってる丸い筋肉(大腿四頭筋といいます)。
それを、皆さん個々鍛えてほしい。

代表的なのがレッグカールってヤツです。スクワットもありだし、アッチャギ二秒止めとかもありだと思いますが、
大腿四頭筋を鍛えるのにまず一番に例に挙がるのがそれなので、やり方を説明します。

1、膝が90度曲がるくらいの高さの椅子に座ります。(高い分にはいくらでも大丈夫。足が地面につかなくても)
2、その状態で右でも左でも、片膝を地面と並行まで伸ばします。
3、ぴんと張ってその状態でキープすれば、きつくなってく筋肉があるはずです。それが大腿四頭筋です。

スポーツジムとか行けば、これを重り付きで鍛えられます。
ただ、はじめは何もなくとも数秒から数十秒止めるのを十回とか二十回とか繰り返してくれれば
だいぶ筋肉は刺激されるはずです。

それで物足りなくなったら、私の場合、オフィスチェアって言うんですかね?
・・・パソコンの椅子の支柱にチャリのタイヤのゴム(タイヤの中のヤツ)を通して、
足首に引っ掛けて伸ばしています。物足りなくなったらもう一つの足でゴムを踏んでみると、
強度が調節できます。それで十回を三ラウンドやってます。

私は一時期整形外科のリハビリ課で働いてましたが、
おばあちゃん(患者さん)たちはこの大腿四頭筋訓練をやりながら
「もっと若いうちからやっておけばよかった」
と口をそろえてつぶやいていました。
痛くなってからではつらいんです。でも、平気な間は意識が高まらないのがニンゲンというモノ・・・(苦笑)

なので、ここを読んだ方はこの脅し(笑)を受け止めて、
予防としての『膝を守れ!』を、ぜひとも取り入れてもらえたらと思います。

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