雑記などのコラムです。
9月雑記(努力の才能)
才能・・・みたいな話ってどっかでしたかなと思いつつ、パッと過去のコラムの題名を見てもなさそうなので、
今月はそんな話。

才能、才能、嗚呼才能・・・ですよね。(大笑)
漫画、『はじめの一歩』は多分ご存知、ボクシング漫画ですが、作者ご自身がボクシングジムを経営もされてるらしい・・・取材もされておられるんでしょうが、そんなわけで、選手の生の声かなと思われる発言がたまに飛び出します。
特に青木、木村という、勝って負けてを繰り返す平凡なプロ選手の言葉は、才能のない田川にとってもよく響く。
きっと皆さんに刺さる言葉もあると思います。

読み返して参照はしませんが、例えば
「才能のある奴の努力ってのは、完成したもの(才能)をどう活かすかって事に集中できるんだよ。
ところが才能がないと、自分を作り出すところから努力しなけりゃならない」
・・・とある天才が「僕達だってちゃんと努力をしてリングに上がっています」とむくれた時、描かれた言葉です。
いや、本当にその通りで、才能のない人間にとって、才能のある人間の努力というのは
性質すら違って見えます。努力ってそんなもんじゃないんだよと言いたくなることすらある(笑)。

その上で、才能のない彼らは這いつくばってボクシングにしがみついているんですよ。
極めつけの言葉がこちら。

『才能のない人間が諦めまでよくて、いったい何が残るというんだ!』

いやもうこれ、私を含めたすべての人は、かみ締めておくべき言葉だと思います。
普段、あの登場人物たちはコメディ要員なんですが、実際に格闘技なんてやってると、

一歩=夢が形になったもの。
鷹村=理想が形になったもの。
青木木村=等身大

なんじゃないかと。98%方、あの漫画に対する構図はこうなるのではないでしょうか。
漫画を知らない人は申し訳ないですが。

人間の個々の才能というのは、アナログ時計の数字部分に色をつけたようなものなんじゃないかと思います。
10時の部分に色が付いている人、2時から4時までの部分まで色が付いている人
・・・その範囲の広さも人によってまちまちなのでしょうが、12時間すべてに色が付いている人などはいないです。
10時方向に天才を持っていたとしても6時の才能は皆無といった感じ。

「俺は色がついている場所がない!」と叫ばれる方もいらっしゃるかもしれない。
でもそれはたぶん、見つかってないだけなんじゃないでしょうか。本人が知らないだけ。
きっと誰にも何らかの才能があるし、もっと言えば誰もが何かの分野の天才なのだと思っています。
だけど、本人がやりたいことに、自分の才能が向いているかは別であり、
逆に才能があることが自分がやりたいことかどうか、についても、そうとは限らない。
だから、一生のうちに必ずしも自分の天才に気づくワケではないのでしょう。
自分がやりたい分野に才能が向いていることは、幸運なことだと思います。

でも、もう一つ、人間を支える大事な才能があると思うんですよ。
アナログ時計の例をもう一度引っ張ってくるなら、数字以外の中心部分を、赤く染める才能です。
それは何かと言えば、"努力の才能"です。

個々の才能というのはそういうわけで、10時や12時にしか向いてません。
格闘技の駆け引きがうまい人が、すばらしい創作料理を生み出せるかは別の話で、
個々の才能というのは、その分野とその周辺以外にはまったく利用できない能力を指します。
しかし、"努力の才能"はすべての分野に干渉します。
才能があっても努力ができない奴がいる。才能がなくても努力ができる奴がいる。
・・・いろいろな人間を、道場で見てきました。

これはもう、田川の勝手な才能理論でしかないのですが、才能と努力の関係って、乗算だと思うんですよ。
要するに

才能×努力=実力

例えば五段階評価でテコンドーの才能が3の人が2の努力をすれば、6の実力を得られるといった意味です。
ひょっとしたら

才能の二乗×努力=実力

くらいあるかもしれませんが、その辺はどうでもよろし。
大切なのは、その"努力"というパラメーターがどの分野においても、掛け算となること・・・なのだと思います。

努力ができるヤツは、振り向いて別の分野をやる気になったら、別の分野でも努力ができるんです。
個々の才能はその分野から離れてしまえば何の役にも立ちませんが、努力はどの才能にも活かすことができる。
だから、努力ができるヤツというのは、何にも増して尊い。私はそう思ってます。

実力は
乗算ですから、才能がなければその分野では大成できないかもしれない。
でも、一つのことに努力ができるヤツは、他の分野の可能性を期待することができる。
むしろそのことの方が、私は大事だと思っています。

最初に"努力の才能"と言いましたが、これもまた才能なのかもしれない。
しかし、努力をする習慣をつけるということは、できると思うんです。
ほら、鴨川会長(また『はじめの一歩』(笑))も言ってらっしゃる。

『努力した者が全て報われるとは限らん。
しかし、成功した者は皆すべからく努力しておる』

自分探しとか、才能を探るのも必要だと思います、が、まず目の前にあるものに対して努力をする。
努力をし続ける・・・それを培っていくこともまた、大切なことなのだと思います。

あれーー、それにしてもこんなこと、いつか書いた気もするんだけどなーー。
アツテココラム19年。・・・ネタが被らない困難を思う・・・(笑)。

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