雑記などのコラムです。
6月雑記(自分のペースで、は、レベルアップできない)
最近、「俺って今の時代にマッチしてない人間だろうな」という考えが、
「原始人でなにが悪い!?」と開き直った今日この頃です。
新しいものが必ずしもいいものとは限らねぇ。(笑)

いやホントね、デジタル化の波かなんかは知りませんが、
最近、散々デジタル技術の不備に付き合わされた案件を、アナログのやりとりを一度挟んだら、
一発で解決したことがありまして、もはや確信に代わりましたわ。

コロナですっかり「家にいる」習慣がつき、それに伴って「家でできること」っていうのが
動画を中心として随分と広まりました。それにより、いつでもやりたい時間にやりたい日数、
さまざまなレッスンを受けられるようになったのだと思います。
が、わたしは正直、アンチですね。
先月、自主練のことについて色々語りましたが、あんな風に言うのは、あれが困難だからです。
実際、先月のコラムを見て、「あーなるほどね」と思い、実行した人はどれくらいいるでしょうか。
先々月に道場生には「コロナの間にやっとくテコンドー」みたいな動画をお渡ししましたが、
身になるくらいコンスタントにやり続けられた人は、どれくらいいるでしょうか。

正直、自分の練習を、自分のペースに合わせて行い、レベルアップを図るというのは
生半可なことではありません。かなり強いモチベーションと目的意識がないと無理で、
試合が近いだとかプロを目指すだとか、俺は道場長だ!とか、復讐してやる!(笑)とか、
そういうのがあって初めてやり切れることだと思います。

つまり普通の意識では無理。レベルアップができる環境というのは、
恐らく常に、他人の提供するペースに、自分を合わせなければ成立しえないものだと思います。

これはもう本当に世界の不文律なんじゃないかと思うんですが、
たとえば世界の技術や医療レベルも、戦争があってこそ上がるんですよね。
競争があってこそ、世界は技術の進歩が奮い立つのです。
昨今はコロナのワクチン作成が急務ですが、それにしたって、世界が自分から発信したものではない。

もちろん生活必需の技術でない限りは趣味ですから、
「楽しければオッケー」「やりたいだけやれればオッケー」なのかもしれないし、
それなら「自分の練習を自分のやりたい時間にやりたいだけ」行えばいいのでしょう。
三日坊主でも、ぜんぜん構わないのだと思います。
その日その時が楽しければいいのであれば、今は死ぬほど教材が溢れてるわけですから、
割り箸のように毎日使う箸を変えていけばいいのでしょうが、
武道って、そういう考え方ではそもそも身につかない。

一応確認しておきますが、武道とは日々の鍛錬により、自分の心に支柱を作り、
自信にしていくことで心身ともに強靭にしていくための生涯教育であり、
その課程で、成長や達成感(俺はこれだけやったぞという気持ち)を実感できる瞬間が必要となるので、
根無し草てツマミ食いできればいいや・・・みたいな精神では、
武道ってものがどういうものかを知ることはできないわけです。
本当に学ぶのは、技じゃない。まぁそれを、原始人が今の人に伝えたところで理解されるか微妙ですが。

私は武道の指導者なので、ウチに興味を持ってもらった人にはやはり強くなってほしいし、
レベルアップしてほしいわけで、そうなると何度も言うように
「自分の練習を自分のペースに合わせて行っている」だけでは
ほとんどの人が身につかないということは断言したい。
「実際に時間を合わせて道場へ行き、他人のペースに従って
自分を引き上げていかなければ」身につかないものだと、私は思います。

デジタル化が進んで5Gが一般的になり、youtube等、さらに高度に動画サイトが運営されるようになっても、
自分の家では、強さは身につかない。世界がどんなデジタル化されても、
習得する人間のしくみは、あくまでアナログなのです。

そのアナログ時計を活性化させるには、「自分のペースではなく、他人の基準に合わせる」ことが必要で、
もっと言えば、「他人のペースに合わせたとしても強くなりたい」と思えるくらいのモチベーションが、
まず、レベルアップに必要なのだと思うのです。

まぁ原始人の考え方ですが、一事が万事で、きっと、やりたくて、レベルアップしたくて仕方ないことほど、
人は条件を付けないのだと思います。
「この条件でなければ自分は〜〜できない」と思ってしまう分野に関して、
自分が本当にレベルアップしたいのなら、まずその精神を修正しなければいけないと思うのが、
オンラインレッスンを呆然と眺める原始人のぼやき、でした。

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