雑記などのコラムです。
9月雑記(長寿時代の身の護り方)
アツテコ二十年史などを書いていたので、印象としてコラムではわたしの一人談義が多いのかと思いきや、
大会やイベントの報告などで純粋にわたし自身が文章だけでコラムを書く機会というのは
一年に数回しかないんですね。
その数回に価値を見い出してくれる人がどれだけいるかは分かりませんが、
とりあえず今月は自論をぶっていこうと思います。

ちょっと、先日練習中に、今回書くことの概要をもらしてみたら、話聞いてた道場生の方に
「それ、よく言われてますよね」
と言われてしまったので、あまり新鮮な話題じゃないのかもしれません。
まぁ一応、わたし自身も最近思ったことだってことで話を進めますね。


日本人の平均寿命というのは、とにかく伸び続けているそうです。
一番最近の統計で男性は81.09歳。女性は87,26歳で過去最高。
平均寿命っていうのがなんなのか分からないまま書きますが、
単純に2019年から年齢を引くと、それぞれ1938年、1932年となります。
ちなみに世界大戦の終結が1945年。

つまりそれって、戦前生まれの人たちが、まだ半分以上いるってことなのか!?
生まれた頃にはまだゼロ戦が飛び交っていた時代を生きた人たちが
多数ご健在ってことでいーんですよね?たぶん。
昭和中〜末期、平成に生まれているわたしたちにとっては、
すっごい昔な出来事に思えることを体験しているわけです。

この平均寿命がこれから100、200歳となっていく中で(←200は言いすぎ(笑))、
古くから生きているわたし達(笑)が、令和やそれ以降に生まれた人に
「え!? 生まれた頃には『どこでもドア』もなかったの!?どうやって生活してたわけ!?」
・・・のような目で見られる時代が来ることも、ありえないことではないってことだと思います。

それだけ医療技術の進歩が著しいことは喜ぶべきことではあると思うのですが、
この医療技術は現在のところ、命を繋ぐための技術であって、人間の老いを止める技術ではないといえます。
ちょっと無知なんでわかりませんが、開発されてないですよね?
身体、頭脳、気力、体力を30歳に保ち続けられる薬とか。

それなのに平均寿命は延びてゆく。それはどういうことか。
身体は変わらず老いていくのに、生きている時間が長くなる。これはどういうことか。
『身体が自由でない期間が、人生において延びている』っていうことではないでしょうか。
日本人はこれに今、危機感を持つべきだと、わたし自身は思うのです。

現在の医療は延命のためにあり、人間の精神的なもの、肉体的なものは、結局自己管理なワケです。
例えば、『なにも体力増強をしなかった人生の人が、80歳で身体が動かなくなる』とすれば、
そこから男性は1年間。女性は7年間。動けない身体で生きなければならない。
平均寿命はますます長くなりますから、その期間はさらに延びると予想されます。

これを防ぐ一つの要素として、わたしはやはり"運動"だと思うんですよ。
わたしは整形外科に務めていた時期もありましたが、患者さんの多くは
「運動不足による、筋力低下によりかかる、関節への負担」から、痛みを発祥していました。
もちろん運動したからといって必ず痛みが出ないというわけではないのですが、
程よい筋肉が身体を健康に保つことは間違いないことで、
そのために「できる運動を、できるうちにやっておく」ということは今からの時代に求められる必須条件。
・・・もっといえば、もはや「自衛のための手段」として、視野に入れるべきことだと思うのです。

「延命治療しなくていいから」とか「老後は老後らしく、ゆっくりすごせればいい」とか、
それを選択できる状況であればいいんですよ?・・・たぶん、本当に身体が動かなくなったら、
そういう選択が自分でできないことが問題なんだと思います。
だから、動くうちに何とかしなきゃならない。

何でこんなこというかって言うと、社会に出た後に身体を動かしてない人が、
今の日本人、多すぎるからです。
わたしはよく
「まだ学生の頃の服が着られるでしょう?」
と、結構な頻度で(体型を見て)言われます。
これをよく言われるということはどういうことかといえばつまり、
「社会に出ると学生の頃の服を着る体型を保つのは難しい」
ということを表しているのだと思います。
つまりそれだけ今の日本人は身体を動かしてないということになる。
どうしても、ちょっとのことで身体を動かすということから離れてしまう時代じゃないですか。
だけど、繰り返しますが「人間の精神的なもの、肉体的なものは、結局自己管理」なんですよね。
よほど自覚がないと、身体は怠ける方にしか向かないのが人間の心理の一つだと思うんです。

別に、体型を美しく保てとか、90になっても100mを12秒で走れとか、
そういうことを言ってるんじゃなくて、
「これほどの医療技術の国で、最期まで心身を健やかに保ち生きていくなら、
身体を動かす習慣をつけたほうがいいよ」
と言っているわけです。

ちなみに1950年の平均寿命は男性58歳。女性61歳です。
戦争があったから、ということもあるかもしれませんが、今から思えばたった70年前は
「定年と共に亡くなるのが、まぁ平均」ってことだったのだと言えます。
これくらいならいいじゃないですか。仕事に忙殺されて身体動かせずに人生生きても、
たぶんそんなに労せず天寿を全うできます。だけど、今から平均寿命100歳の時代です。

スンマセン、100はちょっと盛りすぎましたが、とにかくこれからの日本で生きるのに個人に求められるのは、
例えば『70歳の頃、40〜50歳くらいの体力でいる』ことじゃないでしょうか。

そのための運動、筋力・体力増強・・・武道は自分の身を護る(護身の)という要素が常に絡みますが、
もはや、今の日本では、その、"動かしていない身体を動かすこと"それ自体が、
ある意味での護身と言えるのではないかと、思うわけです。
(その手段は何もテコンドーじゃなくてもいいんですけどね)

そこんとこは、決して盛りすぎではないのかと個人的には思うのですが、いかがでしょうか。

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