雑記などのコラムです。
7月雑記(学校体育では格闘技の素養はわからない)
道場生に話を聞いていると、「自分は運動オンチだ」とか、「昔、体育の成績が悪かった」などと
いう話を聞くことがあります。
ところがその人の動きを見ているととてもそうは思えない。
わたし、格闘家だけならいい加減数え切れないほどの人間を見ていますから、その人がどれくらいの
センスをもっているかは少しみればわかります。
格闘技をやるにあたって、「運動オンチ」どころか、平均よりも優れている人もかなり見受けられます。
これ不思議。

よーーするに、学校で教える競技郡に求められる能力と、格闘技に求められるそれが必ずしも
一致してないってことことなんだと思います。
わたし、テコンドーはじめる前はラグビーを13年ほどやってたんで言いますが、
球技と格闘技、個人技と団体競技というのはまったく違うシロモノです。
もちろん人によってはどのような競技にも特性がある人もいるでしょう。
でも、球技のみ、格闘技のみ、特性がある人だって当たり前のようにいます。

学校教育は格闘技を避けて体育を行いますので、格闘技にのみ特性のある人種の
体育的評価は当然低くなります。よって、そういう人はうまくいかない競技ばかりをやらされて
主観的にも客観的にも「自分が運動に向いてない」と思うようになってしまうということなんでしょうね。

かく言うわたしもそうで、13年もやったラグビーはまったくうまくならなかったのに、
格闘技ならある程度やれるかなと思える部分があります。
体育の評価も低かったことを今では疑う人も多いです。

だから、学校の体育教育はけしからん!というつもりはありません。
体育で打撃系格闘技を教えることなど実質無理だろうし、ヘタに教えても
でかい奴、重い奴、経験者がハバをきかすようでは結果は同じでしょう。

いいたいことは学校での評価が自分への正当評価だとは思わないほうがいいということ。
三つ子の魂百までって奴で、幼い頃に「この分野下手だね」といわれると、
大人になってもそう思いこんでる例は少なくありません。
でも、
学校の英語嫌いだった人が誰も英語をしゃべれてないか?
画家や漫画家はみな美術の成績がよかったか?
といえばそうとも限らないんじゃないかと。
世界的な楽器奏者が「一番苦手な科目は音楽だった」と言っていたのも聞いたことがあります。
体育の成績が悪かったから必ずしも運動神経がないわけではないのです。
そういえば読書感想文一つ書けなかったわたしが、月に一回のコラムを十数年続けてますからね(大笑)。

まぁ、自信というものは他人がいくら物を言ってもつくものではないので自分で何とかするしかないのですが、
ニガテ意識というのは意外にまやかしであることもあるということは
運動能力に限らず言えることかなと、わたしはテコンドーを通して思いました。


あ、そう。関連しそうな話で後ひとつだけ。
「才能ない」を連呼する方に対して思うのですが、
「才能がある」ということについて、何かものすごく大きなものと考えすぎな気もします。
天才・・・例えば音楽におけるモーツァルトみたいな才能を持ってはじめて「才能がある」といえるのなら、
「何かの才能を持っている人間」というのは本当に数万人に一人とかなのでしょう。
宝くじを一枚買って一等を引くようなモノ。その"数万人に一人"がアナタなわけはない!!(大笑)。

わたしはそこまで突出していなくても、・・・例えば人よりも一歩・・・半歩でも前に出ていれば
すでに"才能”なのだと思うのです。さらに言えば、"自分が受け入れることが出来た世界"というのは
すでに"人よりも半歩前に出ている世界"・・・つまり才能のある世界なのではないかと思うのです。
本当の本当に才能のない世界には、人は興味を持たないものですから。

それでも才能を感じないかもしれない。
それも当然な気がします。なぜならそういう才能のある人たちでなければ飛び込んでこないのが
それぞれの"世界"なのですから、回りも全員才能があるわけです。
逆に言えばそこで平均化されてしまうので誰も才能なんかないようにしか見えない。
はっきり言えば、天才以外は皆どんぐりの背比べです。
天才でなければ手が出せない!というかたくなな考え方であれば仕方ないのですが、
はっきり言えば、天才以外の才能の差は努力で埋められる範囲であることがほとんどだと思います。
とくに、技に長けていてもそれだけが勝ち負けの要素とならない"格闘技”であればなおさらね。

だから、才能がないと嘆く人は、才能がありつつ、才能ないと思いながらがんばればいいんじゃないかなと。
「才能ない、才能ない、でもやる!!」
・・・格闘技に限らず、モノを諦めない、何かを目指す際には、大事な考え方なのではないでしょうか。
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