雑記などのコラムです。
2月雑記(逆境ってヤツ)
人間誰しも逆境ってやつには弱いものです。
順風満帆な時はだれだって気持ちが大きくなるし、いろいろな希望を持つこともできますが、
ひとたび困難に直面すればとたんにしおれて
気持ちが千の風に吹かれてしまう人も多いんじゃないでしょうか。
少なくともわたしはそうです。

繰り返しますが、武道の道場は「強くなる」場です。
それは必ずしも腕っぷしに限らず、気持ちの面でも・・・
というのが「武道」っていう物の中に、願いとしてこめられています。
私見ですが、その「人間の本当の強さ」というのは数年前のコラムで述べたとおり、
「どんな状況に立っても、どれだけ「自分」というものを保っていられるか」
ということなんだと思います。
現実の生活において「うわ・・・今の状況いやだな・・・」と思う時期、
もっと短期的にも、ピンチで自分に余裕がない時に、如何に自分を見失わないで
最善の方向へ自分を導いていけるか、他人へ変わらぬ優しさで接していけるか、
・・・数年前のコラムではそれを「人に襲われた時」・・・ということを例に挙げていましたが、
逆境に対する気持ちとしては、すべてに当てはまることだと思います。
私がそれを言うのは口幅ったいですが、自殺者や引きこもるのは逆境に負けたり、
逆境に対して無感動になるからであり、
精神的な修養を願う武道場道場にいるからには、
その「逆境に耐えられる」ようにするための強さを身につけてほしい
というのが、わたしの願いです。

テコンドー道場という小宇宙の中でも「うわ・・・イヤだな・・・」
と思うことはいっぱいあると思います。
マッソギ系の「痛い練習」はもちろん・・・厚木道場名物体力練習やら、
ぶっちゃけ練習に来ること「自体」が、イヤだなと思う日もありますよね?(笑)
知ってます。わたしも現役時代長かったっすから・・・

精神っていうのはなかなか鍛えられるもんじゃないし、
ヨッチャギの蹴り方を教えればみんなヨッチャギがうまくなるのと違って、
人によって、精神の鍛えるツボというのは違います。ので、提案でしかないのですが、
その「うわ・・・イヤだな」を人生の逆境に当てはめてみるというのはどうでしょうか。
自分が大変な状況に陥っても、それでも立ち向かう癖をつけることによって、
自分の精神を鍛えていくことができれば・・・そう意識して行うことができれば、
実生活でも役立つ要素を得られるかもしれません。

たぶん、人によって該当する「うわ・・・いやだな・・・」は違うと思います。
まぁ、趣味でわざわざイヤなことをしに来るというのもヘンな話ですが、
なんとなく自分の避けたいところを、それでもがんばる瞬間というか、
そういうものを常に作りつづけていってもらえたらなと思います。
そういうのを道場という小宇宙で手に入れられたら、
きっと実生活にも応用ができるのかなと。
勝海舟という江戸の城と徳川幕府をほとんど度胸だけで守りきった肝っ玉親父(笑)も
「俺の精神は25〜6で死ぬほどやった剣道と禅で培われた」
みたいなことを自伝に残しています。小宇宙でできないことは、大宇宙じゃできません。

えらそうなことを言っていますが、
まぁ一応導く方向的にはこれくらい言い切らないと、読んでも迷うばかりかと思って
今回強気です(笑)。わたしも自分に言い聞かせるつもりで書いてますので、
その辺は目をつぶってやってください。(笑)

ともあれ大事なのは、逆境にも揺るがない自分の「強さ」を身につけること。
それは、逆境に対して無感動になることじゃなく、
逆境を逆境と認識して、さらに平静でいることなんだと思います。

それをシミュレートしていくのに、武道の世界、・・・特に痛みの伴う打撃系格闘技などは
非常にいい種目だと思います。
やりたくないことを避けても「技術」というものは身につきます。
でも技術だけで精神の強さが伴わないのでは、
少なくとも実生活に武道を役立てていくことはできません。
みなさんの武道を始める動機はさまざまでしょうが、
わたしは、実生活に応用の利くライフワークな生涯教育として武道を捉えていますので、
口を開けばこういう話に直結するし、みなさんへのわたしの願いでもあるので、
ぜひぜひ、そんな気持ちを持って、練習に臨んでいただけたらうれしいし、
ここを読んでくれた人は、実生活もそういう気持ちで生きてもらえたらうれしいです。
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